今回の北海道縦断という一大行事に参加すると表明しながら、いつも何でもギリギリの所で行動に移す私は大した事前準備もしていませんでした。 よって丹羽さんの(もしかしてQちゃん?)素晴らしい配慮である2回に渡る事前講習会やらフリーメールでのやり取りがなければ、私はこんな風に大きな問題もなく完走できたとは思えません。

一日目: 出だしから雨。 さい先悪いなぁと思いつつ、この為に用意した泥よけやら雨具が役にたってよかったとも思う。 コースは国道が多いせいか超高速で走るトラックやダンプとの戦い。 何度も叫びそうになる。 お昼のステーキは最高だった! 「えっ、もう終わり??」ってくらいあっという間に終わった一日だった。

2日目: 昨日とはうって変わってのお天気。 個人的にはこの日をとても楽しみにしていた。 富良野や美瑛。 距離や峠に対する不安よりもお花畑やパッチワークの丘を訪れることが楽しみでしょうがなかった。 

ところがところが、旭川を目前にして急に調子が思わしくなくなった。 手の平が痛い。 お尻が痛い。 もう嫌なことばっかり気になって、自転車に乗っていることが嫌になった。このいつ切れてもおかしくない私の気持ちをひっぱってくれたのが一緒に走ってくれた仲間だ。 そうだ。 みんな頑張ってるんだ、そういう気持ちが私を旭川まで連れて言ってくれた。 到着直後の雨。 神様が私達の到着まで見守ってくれていたみたいだった。

3日目: 正直この日のルートには全く期待していなかった。最初はチーム30km/hを中心としたメンバーと走る。 たまにはこれも楽しいなと思った。 でもこのままで行くと昨日一昨日のようなのんびり観光モードとは縁がなさそう... ということですぐに観光モードに。
思いがけず、このルートは最高だった。 一面のそば畑...そばの花ってこんなに見ごたえがあって美しいものなのだと本当に感激した。 お昼に食べたそばもおいしかったぁ!それからそれからこの日の宿天塩川温泉もよかったですよん!

4日目: とうとう最終日。 いつも楽しかった出来事の最後は準備をしながらわくわくしていた出発の2、3日前を懐かしく思う。 終わってしまう。 その瞬間が来て欲しくないような待ち遠しいような複雑な思いを抱きながら走り続けた。この2日間程あったQちゃんのびっくりおやつタイムもうれしい驚きで、記憶力の悪い私はやっぱりそのことを忘れ、毎回びっくりして感動していた..!

そして稚内市に入った。 途中とっくに通り過ぎているはずの先頭集団が何故か遠くを見ながらバイクを止めている。 近付くと意味が分かった。 そう、利尻富士が見えているのだ。 いよいよゴールは近くなった。

海にぶつかったところで、事件は起きた。 いつも私達の道案内をしてくれ、陰ながら気づかってくれた山崎さんが行方不明となったのだ。 後からこの間、山崎さんがどれだけの距離を走り、どんな速さで私達に合流したのかを聞いて、仰天した。

それにしても、今から考えれば、この時私達は一つのチームになっていたんだなぁと思う。 この長い長い600km弱の道を一緒に走ってきた仲間。 その誰1人がかけてもゴールできない。そういう気持ちだったのだと思う。

このツアーが企画された当初は実力が違う10数人が集まるのだから、きっと毎日何人かのグループ毎で走り、ゴールも別々で...とも思っていた。 でもそうではなかった。 この4日間、いやそれ以前から私達は同じ目標に向かって一緒に走って来ていたのだ。

最後の海沿いを一列になって走っていた時、何ごとにも変えられない快感を感じていた。 まるで15人がタンデムをこいでいるかのように快調に飛ばす。 先頭の丹羽さんが前方を高く指さした。 最北端の碑が見えたのだ。 除々に歓喜がそして興奮が高まる。 自分が泣くなんて思っていなかったのに、何故か胸が苦しくなって鼻がツーンとしてきた。

ゴールの宗谷岬ではこの長い旅をサポートしてくれたいつもの笑顔のぎっちゃんが待っていてくれた。 4日間楽しかった時も苦しかった時もそこにいてくれた仲間達が、そして後部で見守ってくれていたQちゃんもそこにいた。 ツーンときたものは涙となって私の目に溢れでた。 こんなに感激したのはいったいいつ以来なんだろう。

こんな楽しい企画をしてくれた丹羽さんに、苦労もいとわず手厚いサポートをしてくれたQちゃん、ぎっちゃんに、そしていつも笑顔で一緒に走ってくれた仲間達に、ありがとう、ありがとう、ありがとう!!!!!!)